2022年09月16日
「緩和ケア」というと皆さんは、がんの終末期にうけるケアとお考えの方が多いのではないかと思います。私が開業した18年前は、緩和ケアという言葉はあまり知られていませんでしたが、10年くらい前から、さかんに緩和ケアという言葉が聞かれるようになりました。
今では、多くの方が一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。緩和ケアは、死ぬ前に受けるものというイメージがありますが、本当は、そうではありません。がんと診断されたときから、緩和ケアも必要なのです。がんと診断されると、手術や抗がん剤、放射線療法など多くの積極的治療が施されます。また、がんが進行するにつれて、様々な身体の症状が現れます。治療の副作用も様々です。
なにもない方もおられれば、食事もできなくなる方もおられ、精神的にも大変つらい生活を強いられます。
こうしたとき、一つ一つの細かい症状を丁寧に対応して、治療するのが緩和ケアです。医師が治療する場合もあり、看護師が看護を提供する場合もあり、様々な医療スタッフが症状を楽にするために援助をするのです。そうしたサポートがあると、体調も落ち着き、病院での治療も受けやすくなります。やる気も出ますし、体調や精神が落ち着くことで免疫も高まります。
病院の外来で、緩和ケア外来を開設されているところはまだ少ないです。あっても、その病院の患者様だけが対象です。自分の病院にそのような外来がない場合、他で受けることは非常に難しく、結局、死ぬ前になって、病院のホスピスなどに入院して初めて施されるため、人々は死ぬ前に受けるものと勘違いするのだと思います。
しかし、緩和ケアは本当に大切です。なるべく早い時期から受けられると予後も違ってくると思います。
ぜひお気軽にご相談ください。
院長 松永 美佳子
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