2025年01月08日
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症します。このウイルスは過去に水痘(水ぼうそう)にかかった際に体内に潜伏し、免疫力が低下した際に再活性化することで症状を引き起こします。
帯状疱疹の初期症状には、以下のようなものがあります:
●皮膚の違和感やチクチクとした痛み
●強い神経痛(発疹が出る前に現れることも多い)
帯状疱疹は通常、痛みが出た後数日以内に特有の帯状の水疱状発疹が皮膚に現れます。ただし、発疹が非常に遅れて現れる、またはほとんど出ないケース(「無疱疹性帯状疱疹」)もあります。発疹が現れる前の段階では、痛みの原因が特定しにくく、しばしば整形外科的な問題(筋肉痛や神経痛、椎間板ヘルニアなど)と誤診されることがあります。そのため、強い痛みがあり原因が特定できない場合、発疹が確認できなくても帯状疱疹を疑うことが重要です。
[家族に発疹を探してもらう]
帯状疱疹の疑いがある場合、自分で発疹を探すのが難しいことがあります。特に背中や腰、首など自分で直接見にくい部分に発疹が現れることが多いため、家族や友人に皮膚の状態をチェックしてもらうのが良い方法です。
[ブロック注射について]
帯状疱疹による痛みが強い場合、神経ブロック注射が効果的です。主な目的は以下の通りです:
◆痛みの軽減:日常生活が大幅に楽になります。
◆後遺症の予防:帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれる長期的な痛みのリスクを減らす可能性があります。
◆ストレスの軽減:痛みが緩和されることで、体の回復を助けます。
主な治療法は硬膜外ブロックや神経根ブロックになります。硬膜外ブロックは帯状疱疹で傷ついた神経の血流を良くして炎症を抑え、傷の治癒を促します。また、神経根ブロックは傷んだ神経に直接薬を打つことで炎症を抑える効果が強く、一時的に痛みを遮断させることで痛みが過剰に強くなることを抑えます。
ブロック注射は、発症してから早ければ早いほど効果的です。1カ月を超えると治りにくくなりますので、早めにペインクリニックの専門医と相談して下さい。できるだけ早く治療を開始することがコツです。
院長 松永 美佳子
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