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緩和ケア

「緩和ケア」というと皆さんは、がんの終末期にうけるケアとお考えの方が多いのではないかと思います。私が開業した18年前は、緩和ケアという言葉はあまり知られていませんでしたが、10年くらい前から、さかんに緩和ケアという言葉が聞かれるようになりました。

今では、多くの方が一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。緩和ケアは、死ぬ前に受けるものというイメージがありますが、本当は、そうではありません。がんと診断されたときから、緩和ケアも必要なのです。がんと診断されると、手術や抗がん剤、放射線療法など多くの積極的治療が施されます。また、がんが進行するにつれて、様々な身体の症状が現れます。治療の副作用も様々です。

なにもない方もおられれば、食事もできなくなる方もおられ、精神的にも大変つらい生活を強いられます。

こうしたとき、一つ一つの細かい症状を丁寧に対応して、治療するのが緩和ケアです。医師が治療する場合もあり、看護師が看護を提供する場合もあり、様々な医療スタッフが症状を楽にするために援助をするのです。そうしたサポートがあると、体調も落ち着き、病院での治療も受けやすくなります。やる気も出ますし、体調や精神が落ち着くことで免疫も高まります。

病院の外来で、緩和ケア外来を開設されているところはまだ少ないです。あっても、その病院の患者様だけが対象です。自分の病院にそのような外来がない場合、他で受けることは非常に難しく、結局、死ぬ前になって、病院のホスピスなどに入院して初めて施されるため、人々は死ぬ前に受けるものと勘違いするのだと思います。

しかし、緩和ケアは本当に大切です。なるべく早い時期から受けられると予後も違ってくると思います。
ぜひお気軽にご相談ください。

院長 松永 美佳子

院長とペット♪

9月になりましたが、まだまだ蒸し暑い日が続きますね。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は事務スタッフから当院院長のペットについてお伝えします。

院長は大の犬好きで、ラブラドールレトリバー3匹とキャバリア1匹を飼っています。
先日は、そのラブラドールレトリバー「さくらちゃん」の10歳のバースデーでした。

院長手作りのバースデーケーキでお祝いしました。
さくらちゃん、いつまでも元気で院長を癒してね~♪

ペインクリニックについて(その2)

前回は、ペインクリニックとは? という内容で書いてみました。
今回は、ペインクリニックの裏事情について書いてみます。

ペインクリニック専門医になるには、麻酔科専門医である必要があるため、まず、麻酔科の業務が必要です。大学に入ると、朝早くから、夜遅くまで、手術室で黙々と麻酔をかける仕事に携わることになります。患者さんは意識なく麻酔がかかっているし、手術場であまりしゃべることもないので、ペインクリニック外来などとは、程遠い世界でもあります。そうした集団の中で、痛みのコントロールに興味を持った医師たちが痛みの専門医になっていくわけです。

しかし、一人前になるのは、非常に狭き門です。なぜなら、いつも麻酔をかける業務が基本にあるからです。麻酔業務とは別に、専門医の道が用意されているのではなく、勝手にどうぞ的な感じでもあります。勝手にどうぞと言われても、注射は訓練が必要ですし、勝手に注射するわけにもいきませんので、どなたか上手な先輩方に指導を仰ぎたいところですが、病院はいつも麻酔業務を重要視しますので、麻酔業務を減らして、ペインクリニックの技術を学ぶために時間をあけてくれるようなことはありません。私が若かったころは、いつかペインをさせてくれると医局が言って、冷や飯を何年も食わされたあげく、結局勉強させてくれず、医局を辞めていく先生方がよくおられました。そんな中で、どうしても学びたい人は、四苦八苦しながら勉強したものです。見学、研修などめったにない機会を大事にして、少しずつ、自分で勉強していきました。

最近は、もっと事情が悪くなり、昔より世の中は麻酔科医不足になりました。その結果、病院の中は、たとえ、ペインクリニックの技術を持った医師が勤務していても、その先生がペインクリニック外来に携わる時間はほとんどなくなり、下の先生がその先生の外来について、勉強させてもらうことなどできなくなりました。病院は、麻酔科外来を閉鎖し、すべての麻酔科医を手術場に集めようとします。痛みを取る外来より、手術のほうが儲かりニーズも大きいからです。

こうして、今の若い先生方は、ペインクリニックを習得することが非常に難しくなりました。技術を持ったペインクリニック専門医は、麻酔業務一色の病院勤務に嫌気がさし、開業していきます。開業すると、若い先生を指導することはほとんどありません。高齢化社会となり、痛みを抱える人たちはどんどん増えています。我慢強いことが美徳とされてきた日本人も、ほんとは痛みを取って自分らしく生活したいと思っています。

ペインクリニックの技術は、今の高齢化社会にはなくてはならない大切な技術ですが、大学も市民病院も、若い先生を指導する任務を充分果たすことができなくなっています。大工さんなどの技術職も後継者がいなくなって困っておられますよね。あれと一緒ですね。お金にならなくても、時間がかかっても、育てていく文化はいつまでも大事にしないと、薄っぺらい社会になると思います。世の中には、目の前の利益ばかり追う社会のひずみがたくさんでている気がしますが、みなさんはどう思われるでしょうか。

院長 松永 美佳子

千里ペインクリニック新聞 第3号 発行のお知らせ

「千里ペインクリニック新聞  第3号」を発行しましたのでお知らせします。
ぜひお読み頂きますようお願い申し上げます。

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千里ペインクリニック新聞 第3号

ペインクリニックについて(その1)

ペインクリニックという言葉をご存じでしょうか?

当院のホームページをご覧の方でしたら、当然知っているのではないかと思いますが、世の中では、あまり理解されていない言葉ではないでしょうか?

仕事で他院に電話して、受け付けの方に「千里ペインクリニックの松永ですが」と言うと、たいてい、ペインクリニックという言葉が通じないため、何度も言い直すことになります。また、今まで1,000件以上患者様のご自宅を訪問してきましたが、ピンポーンとインターホンを押して、「千里ペインクリニックの松永ですけど~」と言うと、「えっ、クリーニング屋さん?要りません」と言われたりしました。「いえいえ、ペインクリニックの・・・」「えっ、クリーニング屋さん?要りませんよ」「いえいえ・・・ちょっと待って」なんて会話があったりしました。15年も開業していて、ペインクリニックという言葉がやっと最近になって通じやすくなってきたなと感じていますが、まだまだ市民権を得ていない気がします。

ところで、ペインクリニックとは、麻酔科の中から発生した専門医集団ですが、その歴史は浅く約50年です。日本ペインクリニック学会では、痛み治療を担う専門医を育成し、1989年より「ペインクリニック専門医」として認定しています。現在、その数は1,600名近くとなり、年々増え続けています。

「ペインクリニック専門医」となるには、麻酔科を初めとする専門医を取得後、指定するペインクリニック研修施設で一定期間、痛みに関する知識と技術の習得に努める必要があります。そして、研修後は、基礎系(解剖、生理など)、臨床系(ブロック手技、薬物療法、チーム医療の実際など)の両分野に亘る試験を受けて合格しなければいけません。さらに、専門医資格を維持するため毎年、麻酔科学会に出席し、単位を集め、お金を払い苦労しています。麻酔科の専門医の資格を失うと、ペインクリニック専門医の資格までなくしてしまいます。なので、私は麻酔科医ですが、手術の麻酔を15年以上かけていません。

内科、外科、脳外科、産婦人科、泌尿器科、耳鼻科、皮膚科、眼科・・・、病院にはたくさんの専門科がありますが、ペインクリニック科を掲げている病院は非常に少ないです。ペインクリニック科とは言えず、麻酔科と掲げて中身はペインクリニックというのが一般的です。

ペインクリニックの専門医といえども、病院では、麻酔業務の傍らにペインをするといった感じで、最近は麻酔科医不足なので、どこの病院もペインクリニックは縮小傾向で、つぶれていっています。そんな暇があったら、手術場で麻酔をかけろと言うのが病院側の意見です。そんな肩身の狭い思いをするのがいやになると、開業することになります。さて、次回はペインクリニックではどんなことをするのかお伝えしましょう。

院長 松永 美佳子

嬉しい差し入れ 第3弾♪

ひときわ厳しい日差しが照りつけておりますが、皆さま、いかがお過ごしですか?
ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は事務スタッフから発信させて頂きます♪

院長から今回は手作りのレモンパウンドケーキの差し入れがありました\(^o^)/

塩漬けレモンが入ったパウンドケーキ。表面にグレーズがたっぷりとかかっています。甘酸っぱい香りのしっとりとしたケーキにシャリっとしたグレーズ。暑いこの時期にとても爽やかなケーキです。今回もスタッフでペロリと美味しく頂きました(^.^)

院長先生、ごちそうさまでした~!
そして・・・またまた次も楽しみにしています♪(*ᴗˬᴗ)

首の疾患について

頸椎と呼ばれる首の背骨は、7つの骨からなります。腰は5つでしたね。腰にヘルニアや狭窄症、椎間関節痛があるのと同じで、首にも、ヘルニアや狭窄症、椎間関節痛なるものがあります。

その他、これも腰と似ていますが、脊髄から出てくる神経の出口が変形で狭くなって、そこで神経が傷つくことによる肩や上肢の痛みもあります。変形性頚椎症という病名が付きます。変形性腰椎症も存在しますが、あまりそういった名称は使いませんね。しかし、首の場合はよく使われます。ヘルニアや狭窄症による痛みと変形性頚椎症による痛みとは、区別がつきにくいです。どちらも神経の支配領域にしびれや痛みを生じます。どちらも存在することもあり、痛みの原因が、どちらがメインがわからないこともあります。

ペインクリニックでの治療法はほぼ一緒です。血流をよくするブロック注射や神経そのものに薬を打つ神経根ブロックなどがあります。

首は常に細い首が重たい頭を支えているせいか、安静が保ちにくく、いったん神経に炎症が起きると、なかなか痛みが取れません。夜も眠れない痛みが続くことも多々あります。ブロック治療をしても十分痛みが取れず、市民病院の整形外科に手術を依頼したこともありますが、まったく相手にされませんでした。

首はとても重要な場所で、足にいく神経もすべてここを通っていきますから、万一、副作用、合併症などが生じた場合、被害が大きくなる可能性があります。例えば、歩けなくなるとか。なので、整形外科医もよっぽどではないと重い腰をあげません。痛くて眠れないくらいでメスを入れる先生は稀です。麻痺と言われるものが起こらない限りは、ほとんど手術はしません。

しかし、安心してください。神経ブロック治療を何度も継続しているうちに、ほとんどの痛みはかなり軽減し注射しなくてもよくなります。

院長 松永 美佳子

休診のお知らせ

以下の日を休診とさせて頂きます。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。

富野 敦稔 医師

8月8日(月)
9月22日(木)

池永 十健 医師

8月13日(土)

 

嬉しい差し入れ 第2弾♪

暑い毎日ですね。皆さま、いかがお過ごしですか?
ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は事務スタッフから発信させて頂きます♪

先月のアップルパイに続き、院長から今回はチーズケーキの差し入れがありました\(^o^)/

表面にこんがりと焼き色が付いた院長手作りのチーズケーキ。とても香ばしく、しっとりと濃厚なお味です。スタッフでペロリと美味しく頂きました(^.^)

院長先生、ごちそうさまでした~!
そして・・・また次も楽しみにしています♪(*ᴗˬᴗ)

千里ペインクリニック新聞 第2号 発行のお知らせ

「千里ペインクリニック新聞  第2号」を発行しましたのでお知らせします。
ぜひお読み頂きますようお願い申し上げます。

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千里ペインクリニック新聞 第2号